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階段を安全に移動する手段の一つとして、適切な手すりを設置することが有効です。ただし、手すりを効果的に活用するためには、デザインや安全性に加え、建築基準法などの法的基準にも配慮する必要があります。
とくに高齢者や子どもなど、握力やバランス感覚に不安がある方にとって、手すりの有無は転倒や転落を左右する大きなポイントになります。階段は日常の移動で頻繁に使う場所だからこそ、しっかりと手を添えて支えられるかどうかを事前に検討しましょう。
階段に手すりが必要かどうか、法的な義務として考える場合は、建物の規模や種類が影響します。
建築基準法では、床面から高さ1m以上の階段には手すりの設置が義務付けられています。さらに、特定建築物や3階建て以上で不特定多数の人が利用する建物では、手すりの高さにも法的基準が設けられています。
また、「高さ1m以上の階段」とは単純に段差の合計が1mを超える場合だけでなく、建物の構造や利用形態によっては、両側に手すりの設置が望ましいケースもあります。たとえば、高齢者施設や病院などの不特定多数が利用する場所では、転倒リスクを減らすために両側に設置することが推奨されることもあります。
片側のみに手すりを設置する場合は、もう片側を壁で代替するなど、安全を確保する措置が必要です。利用者の特性や階段幅を考慮し、どのように設置するかを慎重に検討しましょう。
高さ1m以上の階段には、少なくとも片側に手すりを設置しなければなりません。片側にのみ手すりを設置する場合、反対側に側壁を設置する必要があります。また、住宅性能評価制度では、子供の安全を考慮し、手すりの間隔についても基準を設けています。
さらに、実際に手すりを握るときの使い勝手も大切です。一般的に、手すりの握り部分の直径は30〜40mm程度が多く、壁とのあいだに30〜50mmほどの隙間を設けることで、指や手をスムーズに入れられます。
子どもが小さいうちや将来的に高齢者が利用する可能性がある場合は、複数の高さに手すりを設置する「二段手すり」を導入するのも一つの方法です。握りやすさや安全性を両立したデザインを考えることで、長く安心して使える階段に仕上がります。
手すりのデザインを検討する際には、これらのルールや安全基準に配慮しながら、高さや配置方法などの詳細を決定しましょう。
フラットバータイプの手すりは、平たい板状の外観を持つ手すりです。素材としては木製や金属製、樹脂製など様々なケースが想定されますが、安全性や耐久性を考慮して適切なものを選択しなければなりません。
フラットバーはシンプルながら使いやすく、手すりの横幅を調節することで狭い階段でもマッチさせやすいのがポイントです。
丸棒タイプの手すりは、丸い形状の棒を使った手すりです。丸棒タイプはどの角度からでも握りやすく、しっかりと体重を支えられるため、使いやすいデザインといえます。丸い曲面がアンティーク家具を思わせるような柔らかな雰囲気を醸し出すため、デザイン性にこだわりたい人にも人気のあるデザインです。
木ならではの温かみと香りがあり、室内インテリアに自然と調和しやすいのが魅力です。表面は手に馴染みやすく、握り心地のよさを実感できますが、一方で経年劣化や摩耗が起こりやすく、湿気の影響を受けやすい点に注意が必要です。
メンテナンスとしては、定期的な塗装や表面の保護加工が欠かせません。スギやヒノキなど日本の伝統的な材から無垢材、集成材まで素材のバリエーションが豊富で、好みや空間イメージに合わせて選べるのも特徴です。
ステンレスやアルミといった金属製の手すりは、耐久性と錆びにくさに優れており、屋外や湿気の多い場所でも比較的安心して使えます。表面が滑らかなのでお手入れがしやすく、日常的な拭き掃除だけである程度美観を保てるのが利点です。
デザインもシンプルなパイプ状から、マット仕上げ・ヘアライン加工まで多岐にわたり、建物の雰囲気に合わせてアレンジが可能です。
軽量で扱いやすく、金属製や木製よりもコストを抑えやすい点が魅力のひとつです。取付け工事や交換が比較的簡単で、メンテナンスの負担も少なめなため、設置場所や使用頻度に応じて導入しやすい素材といえます。
一方で、強度や耐久性の面では製品ごとにばらつきがあるため、購入時には安全性の認証やメーカーの保証内容をしっかりと確認しましょう。
ガラスの透明感やワイヤーの細さを活かして視界を遮らず、スタイリッシュな空間を演出できる素材です。空間が広く見えるため、室内外を問わず洗練された印象に仕上がりますが、その分転落防止を目的とする強度確保がより重要になります。
ガラスを使用する場合は、合わせガラスや強化ガラスなど安全性の高い種類を選び、ワイヤーも設置方法によっては専用の金具やしっかりとした支柱を用意するなど専門家の施工が欠かせません。
またガラス面は汚れが目立ちやすく、ワイヤーや金具にはサビ防止が必要になるため、定期的な清掃やメンテナンスを心がけると安心して長く使えます。
特定条件においては、手すりや安全柵の高さに1.1m以上といった基準が定められていますが、通常の階段用手すりに関しては規定はありません。しかし手すりの高さは使用感や安全性に直結するため、階段を利用する人の体格や特性なども考慮して、使いやすい高さを設定することが重要です。
実際には、成人が握りやすいと感じる目安として、手すりの高さを階段の踏面(段の上面)から80〜90cm程度にするケースが多いです。一方、乳幼児がいる家庭や介護を想定している場合は、もう少し低めの位置にサブの手すりを設けるなど、家族構成や将来のライフステージを考慮して調整することも大切です。
また、住宅性能評価制度などでは、子どもが階段から落下しないよう、手すりや柵の間隔を一定以下にするよう推奨されています。安全確保と使いやすさを両立するためにも、高さや間隔は現場に合わせてきめ細かく検討しましょう。
住宅の階段に手すりを設ける場合、将来的なライフステージの変化なども考慮して高さやデザインをプランニングすることが重要です。
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